先輩!
「先輩?」


熱を帯びた、とろんと蕩けそうな濡れた瞳。佐々木の細く頼りない身体が、俺の身体にもたれかかりながら見上げてくる。


「1年前男性ばかりの部署に配置になって、すごく緊張してたし、本当は、ちょっといやだなって思ってたんです」

「ああ、うん」

「でも先輩が初日から気さくに話しかけてくださって、優しく教えてくださったから1年間頑張ることができました。これからもよろしくお願いします」

「あー」

「先輩のときどきイジワルなところも胸きゅんですよ」

「バカ、何言ってんだよ」

「今日も誘ってくださってありがとうございました。プレゼントも、本当に嬉しいです。ありがとうございます」

< 300 / 371 >

この作品をシェア

pagetop