先輩!

そんなこと言われたら、送りオオカミ出来ないじゃないか。

ますます仕事頑張って、かっこいいところ見せ続けるしかないじゃないか。


社会人になって、研修期間を終え、本格的な仕事が始まったばかりの時彼氏と別れた佐々木。

恋愛より仕事。俺はそれを1番近くで支えていた。このくらいの自惚れはいいよな。


佐々木を想う気持ちは、ただの部下に対するそれなんかじゃないことは、もう野口さんにも否定できなくなっていた。


こんなにも誰かを好きだと思ったことは1度もなかった。


こんなにも大切で、自分のことも同じように思って欲しいなんて感情を初めて抱いた。


『恋』とは、こんなにもたくさんの感情が胸を駆け巡り、常に脳裏にあり、そしてときに、辛いものなのだと知った。
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