先輩!
「こんなに酔ったの生まれて初めてです」
「焼酎はもう飲むなよ」
「でも美味しかった」
「じゃあ俺と一緒の時だけな」
「はい。そうします」
素直かよ。
歩けるし意識もはっきりしているが、こんな佐々木を1人で電車に乗らせるわけにはいかないので、タクシーで家まで送ることにした。
酔っ払いどもに絡まれてどこかに連れ込まれでもしたらと気が気じゃない。
タクシーの後部シートに座り、俺の肩に寄りかかり「楽しい」と目をつぶっている佐々木。
「先輩は彼女いないんですよね?」
「いたら佐々木と2人で飲みに行かないだろ」
「そうです。それは浮気認定です」
「酔ってんな」
「オトナ女子になりたいんです」
「会話噛み合ってなさすぎな」
「好きな人とか気になってる人はいるんですか?」
それ佐々木が聞く?
つら。
「佐々木はどうなんだよ」
ビアホール以来、初めてこの話題を口にした。
「うーん」
すっかり口紅の色味が落ちた素の唇から、小さな迷いがこぼれた。
「焼酎はもう飲むなよ」
「でも美味しかった」
「じゃあ俺と一緒の時だけな」
「はい。そうします」
素直かよ。
歩けるし意識もはっきりしているが、こんな佐々木を1人で電車に乗らせるわけにはいかないので、タクシーで家まで送ることにした。
酔っ払いどもに絡まれてどこかに連れ込まれでもしたらと気が気じゃない。
タクシーの後部シートに座り、俺の肩に寄りかかり「楽しい」と目をつぶっている佐々木。
「先輩は彼女いないんですよね?」
「いたら佐々木と2人で飲みに行かないだろ」
「そうです。それは浮気認定です」
「酔ってんな」
「オトナ女子になりたいんです」
「会話噛み合ってなさすぎな」
「好きな人とか気になってる人はいるんですか?」
それ佐々木が聞く?
つら。
「佐々木はどうなんだよ」
ビアホール以来、初めてこの話題を口にした。
「うーん」
すっかり口紅の色味が落ちた素の唇から、小さな迷いがこぼれた。