先輩!
「推しならいます。野口さん癒し系」

「野口さん推し?俺推せよ。でも癒し系はわかるな」

「ですよね。抱いて寝たい」

「は、それは違うだろ」


つい本気で否定してしまった。想像もしたくない。


「元カレは忘れられたか?」

突っ込んだ質問は初めてだ。あのビアホール以来、何度も2人で飲みに行っているが、この手の話題は避けていた。


「おかげさまで、仕事が恋人状態です」

「じゃあ佐々木こそ気になる人は?かっこいいなって思ってる人とか」

「先輩かっこよすぎです。先輩と毎日一緒にいたら、イケメンのハードル上がっちゃいました」


にやける顔を、ぐ、と引き締める。やべえ嬉しい。

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