先輩!


本当に、念の為だったんだ。あの時は。

でも今こうして抱き合ってキスをして、芽衣が欲しくて欲しくてたまらない。


「大事にしたい子にはなかなか手を出さないって都市伝説?俺、芽衣を抱きたくて仕方ない。芽衣が欲しい」

「先輩」

「でも芽衣がまだ早いと思うなら我慢する。ここでやめる」

「先輩・・・」

「やっぱりやめよ。芽衣のことめちゃくちゃ大事だし。ちょっとシャワーしてくる。冷水で頭と体冷やすわ」

これ以上触れ合ってるとまずい。

ひとまず離れて自分自身を落ち着かせよう立ち上がろうとした時、芽衣に腕を掴まれた。


「やめないでください」


もう、自分を止められなかった。


素直に組み敷かれる芽衣の顔には、大きな恥じらいと緊張。それから、瞳に熱。

俺も同じだよ。


「やっぱりやめてはナシな」


再び唇を重ねる。今度は最初から、その先の行為を連想させるような。

芽衣の舌を絡めとる。口内も性感帯だと知識はあったが、実感したのは初めてだ。
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