先輩!

首筋にキスを落とすと、小さな可愛い声が漏れ、慌てて口を押える芽衣が、可愛くて愛しくて。

ふ、と小さく吹き出した。


「声かわいい」

鎖骨の上を唇を這わせながらそう囁く。


繋いだままの芽衣の手を自分の胸に当てる。ドクン、ドクン、大きく脈打つ鼓動が、芽衣にも伝わるだろうか。


初めてSEXした時だって、こんなに緊張しなかった。ただの好奇心しかなかったあの時...いやあの時だけじゃない。


今まで俺が経験してきたどのSEXとも違った。

SEXに対する概念が180度変わった。


狂おしいほどの愛しさで胸がはち切れそうだ。



芽衣の頭を撫でながら、幸福感で満たされる。


恋人同士のSEXというものを、初めて知った。


こんなにも、心が満たされるなんて知らなかった。

ただの快楽を得るためだけの行為という認識だった。


“愛おしい”という感情を初めて抱いた。

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