先輩!
「芽衣の感じてる声嬉しい。可愛いからもっと聞かせて」

「先輩っ、あ、ん、きもち...」


何度か体勢を変え、最初の形に戻った。

芽衣の乱れた髪の毛を整えて、たくさんキスを降らせる。


まだ終わりたくなくて、繋がったままある願望を口にした。


「お願いがあるんだけど」

「なんですか?」

「敬語やめてみて」

「うん」

「はーかわいすぎ。何かしゃべってみて」

「・・・先輩のキス好き。いっぱいして」

「おい、かわいすぎかよ。もう一個お願い。名前で呼べる?」

「...かける...翔くん」

「うわ、やば、出るかと思った」

「翔くん!!」

「好きだよ」


キスを落とし会話をやめ、そこから一気に攻め立てた。


何度頭に思い描いたことか。


敬語なんかとっぱらった芽衣を。


俺の恋人になった芽衣を。


こうして、愛し合う俺たちを。


芽衣の中で果て、普段は雪のように白い顔と身体をピンク色に染める芽衣の上に倒れ込んだ。

芽衣に抱きしめられ、頭を撫でられ、一気に込み上げ押し寄せる幸せをかみしめた。

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