先輩!

「なにしてんの?晩メシ作ってんの?」

『ううん、もう食べたよ。翔くんはもう食べた?』

「一人寂しくビジホの部屋でコンビニ弁当な。芽衣の手料理食いたい」

『明日仕事終わったら翔くんの家で待ってていい?』

「うん」

「それでね、」と一旦言葉を切った芽衣。

グイ、芽衣が画面に近づき、映し出された顔面アップ。


ああもう、なんで触れられないかな。


『平日だけど、お泊まりしていい?』

「うん。絶対な。早く帰るから待ってて」

『ゆっくりでいいから気をつけて帰ってきてね。それが1番だよ』

「ん、」

『あー翔くんかっこいい。顔みたらダメ。すごく会いたくなっちゃう』

「俺も」

『あのね、実は今日寂しくて翔くんの家に行っちゃおうかと思ったの。でも翔くんのいない部屋に一人でいる方がもっと寂しいと思ってやめにした』


芽衣の素直さが沁みる。いつも芽衣が素直に心情を吐露してくれるから、俺も素直になれることが多い。

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