先輩!
「わたし、先輩が退院するまで会社休んでこっちにいます」

「いやいや、気持ちはありがたいけど、」

「翔くんが仕事に復帰できるまで、ずっとそばにいる」

「いつになるのかわかんないし、芽衣も仕事、」

「休みます。リモートワークします。もう部長に許可もらってます」

「芽衣・・・」

「わたし婚約者ですから」

「そっか、最高だわ」


芽衣はこうと決めたら絶対引かない。ほんと、頑固なんだよな。

有無を言わさない眼差し。ああもう、素直に甘えよう。芽衣が考えて、決めたことなら。


俺、愛されてるなあ。


「芽衣、ソファーベッドを俺のベッドにくっつけれる?キャスター付いてるだろ?」

「キャスター?あ、ほんとだやってみる」


下に敷いていた毛布を取り払い、キャスターのロックを解除してころころと引っ張ってきた。


「ちょっと段差がありますね。でもいい感じ」

「一緒に寝よう」

「うん!」


10センチに満たない段差はあるけど、なんの問題もない。芽衣はソファーベッドに横になって、またすぐ俺の右手を握った。

俺のもソファーベッドも狭いので、芽衣が近くてちょうどいい。
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