先輩!
「なにかして欲しいことありますか?」

「んー、特にないよ。あ、芽衣と話がしたいかな。でも眠いか」

「体は疲れてるんですけど、頭は冴えてるんです。いっぱい話したい」

「そっか。じゃあ眠くなったら寝よう」


「うん」芽衣が俺の右手の甲に頬ずりする。

愛しいよ。そんな仕草をする芽衣が。


「結婚式しような」

「うんしたい。ウエディングドレス着たい。翔くんは?」

「世界一可愛い花嫁姿を見たいからする」


芽衣が恥ずかしそうに布団に潜った。「翔くんのタキシード姿かっこいいんだろうな」と、布団の中から声が聞こえる。


「入籍だけでも先にしたい。俺それまでに絶対ケガ治すから」

返事がないから布団をめくると、そこにはもう気持ちよさそうに寝息を立てる可愛い寝顔があった。


本当に、ありがとう。


入籍したい日があるから、明日手術が終わったら話そうな。


俺も目を瞑り、今夜何度目かの浅い眠りに落ちた。
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