先輩!

9. ーエピローグー

挙式と披露宴を無事終え、その翌日新婚旅行で海外へ飛んだ。

特別休暇を長めにとっておいて良かった。


帰ってきてから、芽衣が体調不良を訴え微熱が続いている。


この数ヶ月、式と旅行の準備に追われた。長期休暇を取るので仕事も詰め込んだ。

緊張と疲労が癒えぬうちに出発し、旅行は目いっぱい楽しんだから、一気に疲れが出たんだろう。


それに加えて、芽衣はこの4月に、商品開発部に異動になった。


自称文房具マニアの芽衣は、開発部の仕事が楽しくてやりがいがあって燃えているらしいが、慣れない仕事は自分が思う以上に疲労が蓄積するものだ。


旅行の片付けの手を止めて、寝室にいる芽衣の様子を見に行く。

芽衣は起きていて、横になったまま青ざめた顔をこっちに向けた。


「大丈夫か?何か食えそう?」


朝からろくに食ってないから心配だ。ゼリーくらいしか口にしてない。


「さっきからずっと吐きそうなくらい気持ち悪い」

「芽衣?」

「はい」

「子どもができた...とか?」

「え...?あ、もしかしたら...」

「生理遅れてるだろ」

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