先輩!
*****


「おはようございます」

月曜日の出勤途中、後ろからやってきてすっと隣に立った男性に挨拶をされ、反射的に挨拶を返すと佐々木くんだった。


どきり、胸が跳ねる。

はて?動悸か?加齢か??


あー、佐々木くんのような塩顔男子が大好物だからか。

佐々木くんは、我が社のダントツ人気久保さんの後に続く人気の1人だ。


初めて2人で話をする佐々木くんに感じた胸の高鳴りのような気配は、一旦なかったことにする。


「芽衣ちゃんから久保さんのこと聞いたよ。大ケガだけど無事で何よりだね」

「さすが久保課長っすよ。持ってます。あの大事故で生きてるんですもん」

「芽衣ちゃんと結婚するんだってね」

「そうっすよ。久保課長の籍に入るとかあいつ許せん」

「あははっ、なにそれ」


なんだこの子。面白い。

芽衣ちゃんと仲良いし、てっきり三角関係の当て馬かとワクワク、あ、いや、ひやひやしてたのに。


そっか。久保氏推しね。最高。滾る。
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