先輩!
「楽しかったー。笑い死ぬかと思った。料理も美味しかった。お腹いっぱい」

「俺も楽しかったっす。良かった満足してもらえて」

「大満足。また飲み行こう」

「行きましょ!でも次は穂乃果さんのおすすめの店に連れてってくださいよ」

「うわ、ここの次かあ、ハードル高いなどこにしよう」


月曜の夜、3店をピックアップしてLIMEした。ちょっとオシャレな洋風ダイニング。イタリアン、それから居酒屋。

穂乃果さんが選んだのは居酒屋だった。

活気があって賑やかな店だし、初めて飲みに行く男女が行くには、肩が凝らなくていいかもしれない。

ここは料理も酒も美味いから、絶対気に入ってもらえると思っていたが、満足してもらえたようで安心した。


居酒屋で楽しく飲んで、河合さん呼びが穂乃果さんに変わった。

佐々木くんから虎太郎に変わった。

時々素が出て敬語じゃなくなっても、笑って許してくれたり、「おいこら調子乗んな」と突っ込まれたりで、まじで楽しかった。

こんなに美人なのに気取ってないし、ちょっと癖のあるところがいい。


月曜ダメもとで誘って良かった。


「まだ飲み足りないっすね」

「えー虎太郎、すっごい飲んでたじゃん」

「飲みたいって言うより、穂乃果さんともっと喋りたいっす」

「あ、それはわたしも」

「うちで飲み直す?」

「えー家かあ」


アルコールで頬を染めた穂乃果さんが、目を見つめてくる。

無意識か?

右耳にだけ髪をかけ、少しだけ傾く角度が最高に色っぽくてヤバい。


いいよって、言ってくんねえかな。
< 361 / 371 >

この作品をシェア

pagetop