先輩!
「わたしもすごく楽しい。好きよ、虎太郎」


穂乃果さんが右耳に髪をかける。

ああ、この人、恥ずかしかったり照れたらするのか、この仕草。


小さめのピアスが揺れる耳が現れたとき、限界が来た。


「いい?」

キスをしようと思えばできる距離にある穂乃果さんの顔に、羞恥と迷いが表れる。

許可取りを事前にした自分を褒めてやりたいくらい、理性はぐらぐらで。

返事がないので再度確認した。


「いい?」

こくん、頷いたのを確認し、口づけた。

俺も酒入ってるし、穂乃果さん相手に欲望を止めれるはずがなかった。


それに舌を絡めた瞬間、身体の相性が良さそうなことに気づくほど、キスが気持ちいい。

キスをしながら、腕を回した腰の辺りを服の上から撫でると、穂乃果さんがびく、反応した。

「ベッド行こ」

「待って虎太郎、シャワーしたい」

「ダメ」


手を引いて立ち上がり、ベッドに移動した。

穂乃果さんの手は、俺の手よりもかなり熱かった。


アルコールのせいか、身体の昂りのせいかは謎だ。
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