先輩!
「それにできれば佐々木には知られたくなかった、」「過去の女性関係ですか?」

「おいそこ食い気味で言葉被せんな…え?聞き逃すとこだった。迷惑じゃない?」

「はい。とても恥ずかしいですけど」

「はーよかったー」


ハンドルに突っ伏した先輩から安堵が漏れる。


「8年って中学校くらいから?」

「はい」

「きっつ」先輩がこぼす。「俺の薄っぺらな女性関係とはわけが違うな」と突っ伏したまま籠った声が聞こえる。

ゆっくり運転席のシートにもたれた先輩がこっちを向いた。


「俺は、佐々木のこれからが全部欲しい」


ひたむきな眼差しから目を離せない。胸が高鳴って、締め付けられて、今すぐ返事をしたいです。
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