先輩!
それで。と野口さんが一呼吸おいた。少し言いにくそうに目線が泳いだ。

「その帰りにさ、見ちゃったんだ」

「何をですか?」

「駅の改札近くで、佐々木さんと男がハグしてるの」

「え?」

「先週末、11時ごろH駅にいた?」


そんなまさか…

はい、とうなづいた。

< 68 / 371 >

この作品をシェア

pagetop