先輩!
「芽衣の感じてる声嬉しい。可愛いからもっと聞かせて」

もう先輩。わたしもうダメです。ほんとに、気持ちよすぎて怖いんです。

先輩の誘導で何度か体勢を変え、訳が分からないくらい気持ちよくさせられて、最初の形に戻ってきた。

先輩が乱れた髪の毛を整えてくれて、たくさんキスが降ってきた。


「お願いがあるんだけど」

「なんですか?」

「敬語やめてみて」

「…うん」

「はーかわいすぎ。何かしゃべってみて」

「・・・先輩のキス好き。いっぱいして」

「おい、かわいすぎかよ。もう一個お願い。名前で呼べる?」

「...かける...翔くん」

「うわ、やば、出るかと思った」

「翔くん!!」

「好きだよ」

キスを落とされ会話はそこで終わり、そこから一気に声が枯れそうなくらい攻め立てられた。


肩で息をする先輩がわざと私の上に倒れ込んできた。

先輩を抱きしめて、幸せな余韻で思考は断たれ、もう何もしたくない。


初めて触れた先輩の髪の毛は。

想像よりも柔らかくて、ずっと撫でていたいと思った。
< 93 / 371 >

この作品をシェア

pagetop