花咲くように 微笑んで
 「ここで待っててくれる?着替えて荷物を取ってくるから」
 「はい。あ、じゃあコンビニで待ってますね」
 「了解」

 1階に下りると、エレベーターの前で一旦別れた。

 菜乃花はすぐ横にあるコンビニに入り、缶コーヒーを2つ手に取る。

 レジに向かおうとすると、テーブルの上にたくさんのチキンやオードブル、お酒やケーキが並んでいるのが目についた。

 (わあ!クリスマスのご馳走ね)

 どれもこれも美味しそう、と真剣に見比べていると、颯真が戻ってきた。

 「お待たせ。ん?おお!クリスマスメニューか」
 「ええ。せっかくだから買って帰ろうかなと思って。宮瀬さん、うちで食べていきませんか?」
 「いいの?」
 「はい。どれがいいですか?」
 「んー、やっぱりチキンは外せないでしょ。ケーキと、あ!お酒も買う?」

 また酔っ払った菜乃花のおかしな姿が見られるかも?と、イタズラ心で言ってみる。

 すると菜乃花は、驚いたように目を丸くした後、満面の笑みで頷いた。

 「はい!買いましょう」

 あれ?と颯真は拍子抜けする。

 一方で菜乃花は、やっとお酒を飲む気になってくれたんだ!と嬉しそうに微笑んでいた。
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