花咲くように 微笑んで
第十八章 夜にお風呂に入るには?
 「おはよう、菜乃花ちゃん」
 「おはようございます、谷川さん」

 いつものように出勤して挨拶を交わすと、谷川は、ん?と菜乃花を見て首をひねった。

 「どうかしましたか?」
 「うん。菜乃花ちゃん、なんだか可愛い」

 は?と菜乃花は面食らう。

 「どうしてだろう。髪型も服装もメイクも、普段と同じよね?でもなんだかキラキラしてる…」

 そこまで言うと、谷川は急にしたり顔になった。

 「なるほどー。そういうことか。素敵なクリスマスイブだったんだね!」
 「え?あの…」

 戸惑う菜乃花をよそに、谷川はまたクリスマスソングを歌いながらカウンターへと歩き出した。
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