花咲くように 微笑んで
第二十章 希望の光
 「おめでとう!菜乃花ちゃん。ようやくね。はあー、本当に良かった!」

 両家への挨拶を済ませて婚姻届を提出し、二人は身近な人達へ結婚の挨拶をして回った。

 有希と春樹は、とにかく良かった!と手放しで喜んでくれる。

 「颯真、本当にヤキモキしたぞ。奥手なお前のことだから時間かかるだろうと思ってたけど、まさか別のドクターにプロポーズされ…」
 「春樹!」

 すかさず有希が鋭い視線で遮る。

 「もう!いつもひと言余計なの。でも本当にハラハラしたわ。颯真先生、菜乃花ちゃん、おめでとう!末永くお幸せにね」
 「ああ、そうだな。颯真、菜乃花。これからも夫婦でよろしくな」

 颯真と菜乃花は笑顔で頷いた。

 そして三浦のところにも二人で報告にいく。

 「そうか!本当に良かったな。幸せになるんだよ、菜乃花ちゃん」
 「はい、ありがとうございます」
 「宮瀬先生、菜乃花ちゃんを少しでも泣かせたら、その時は俺が容赦しないから。覚えておいてね、俺を怒らせるとどうなるか…」
 「は、はい!充分承知しております」
 「そう。それなら良かった」

 そう言うと、改めて二人を笑顔で祝福した。

 「おめでとう!君達なら必ず幸せになれる。お似合いの二人だよ」
 「ありがとうございます」

 二人は深々と頭を下げた。

 塚本達、ERのメンバー、小児科病棟のナース達、そして図書館の館長や谷川、加納夫妻も…。

 たくさんの笑顔と祝福の言葉を胸に、颯真と菜乃花はより一層幸せを噛みしめていた。
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