花咲くように 微笑んで
 「有希さん、先輩、今夜はありがとうございました」
 「いいえー。菜乃花ちゃんとお話出来て、とっても楽しかったわ。また遊びに来てね!」
 「はい、ありがとうございます」

 マンションのエントランスで二人に挨拶していると、颯真が回してきた車がすぐ後ろに止まった。
 菜乃花をマンションまで送ってくれるという。

 「じゃあ、行こうか」
 「はい。よろしくお願いします」

 菜乃花は、颯真が開けてくれたドアから助手席に乗り込んだ。

 「じゃあな、颯真。身体に気をつけろよ」
 「ああ、ありがとう」
 「またねー。颯真先生、菜乃花ちゃん」

 ゆっくりと動き出した車の窓から、菜乃花は二人に笑顔で手を振った。
< 31 / 140 >

この作品をシェア

pagetop