花咲くように 微笑んで
 「菜乃花ー、元気か?」

 1月も終わりに近づいた頃、菜乃花はまた春樹から電話を受けた。

 「はい、元気です。先輩も有希さんもお元気ですか?」
 「あー、元気は元気なんだけどさ。菜乃花、もし時間あったらまたうちに遊びに来てくれないか?有希の話し相手になって欲しいんだ」
 「え?有希さんの?」

 どういう意味なのだろうと思いながら、仕事が休みの日ならいつでも、と返事をする。

 「そうか!こっちはいつでも大丈夫だから。来てくれると助かるよ」
 「分かりました、伺います」
 「じゃあ、有希に菜乃花の連絡先教えてもいいか?直接やり取りした方が早いから」
 「はい、大丈夫です。お願いします」
 「分かった。ありがとな、菜乃花」
 「いいえ」

 そそくさと電話を切った春樹に、菜乃花は小さく首を傾げる。

 (どうしたのかしら。何かあったのかな?)

 しばらくして有希からメッセージが届き、菜乃花は4日後のオフの日に、再び新居にお邪魔することになった。
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