花咲くように 微笑んで
 三浦の運転で、まずは自分のマンションに寄ってもらい、菜乃花は身の回りの物を大きなバッグに詰める。

 それから三浦のマンションに連れて来られた。

 「わあ、綺麗なマンションですね。お庭もあって」
 「ああ。気晴らしに散歩したらいいよ。取り敢えず部屋に行こう。エレベーターはこっち」
 「はい」

 15階に上がると、廊下を少し進んだ先の部屋に案内された。

 「どうぞ、入って」
 「はい。お邪魔します」

 リビングは広くて日差しもたっぷり射し込む明るい空間だった。

 「ソファに座ってて。今、紅茶を淹れるから」
 「ありがとうございます」

 紅茶を飲みながら、三浦とこれからのことを話し合う。

 仕事は、出来るならこの先も1ヶ月は控えて欲しいと言われたが、そんなに長く休むと館長達に迷惑になるし、危険な作業はしないからと、2週間後に戻ることになった。

 「じゃあ出来るだけ身体の負担が少ない業務にしてね。通勤も気をつけて。俺が休みの日は車で送るから。それから家のことは何もしないで。食事も俺が用意する。とにかく菜乃花ちゃんはゆっくり身体を休めてね」
 「あの、泊めていただくのに何もしないのは…」
 「いいや、ダメだ。本当に何もしないで。分かった?」
 「は、はい」

 その言葉通り、三浦はテキパキと菜乃花の昼食を用意すると、ちゃんと休んでてね!と念を押してから仕事に向かった。
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