花咲くように 微笑んで
 数日後。

 三浦は菜乃花に会いたいと連絡をして、互いの休みの日に出かける約束をした。

 マンションまで迎えに行くと、菜乃花は涼しげな水色のワンピース姿で現れた。

 顔色も良く、体調も問題なさそうで安心する。

 「こんにちは、信司さん」
 「こんにちは、菜乃花ちゃん」

 菜乃花の明るい笑顔に思わずドキッとしながらも、どこか胸が切なく痛む。

 「今日はどこに行こうか?」
 「んー、海が見たいです」
 「いいね、そうしよう」

 三浦は早速車を走らせる。

 ドライブしながらも、菜乃花は楽しそうに職場の話をした。

 「それで、みなと医療センターのボランティアも、そろそろ再開したいなと思ってるんです」
 「え、本当に?身体は平気なの?」
 「はい。以前みたいに頻繁にではなく、少しずつ様子を見ながら戻していこうかなと。まずは、本の整理から始めますね」
 「ありがとう。でも、くれぐれも無理しないでね」
 「はい、分かりました」
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