compact
恋人も居なかったわけじゃない。

ただ、仕事ばかりしていて
なんとなく疎遠になって…
俺と仕事とどっちが大事?とか
言われたりもしていた。

「落とされましたよ。」

じっとタブレット画面を見ていたら
落とした名刺を拾ってくれた。

まだ恋人が居た頃の
まだ出世する前の、名刺。

見上げるといつもの店員サンで
肌が綺麗で髪もサラサラで
笑顔のカワイイ男性だった。

拾った私の名刺をみて…
「名前、なんて読むんですか?」
と、よく聞かれる質問を受けた。

私の名前は亜葵…
「アキです。読めないよね。」
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