青春少女
周りはもうバイトとか考えているのかな。
お金は欲しいけど、働くのはな〜
そう思いながら財布の中を整理。
お札よりも圧倒的に多いレシート。
これも、あれも、いつのだったか覚えてない。
とりあえず全部捨てちゃお。
ごっそり財布から取り出したレシート。
ゴミ箱に入れる時に一つだけはらりと落ちる。
手を伸ばし、なんのレシートだっけ?ってしわくちゃのレシートを広げる。
「───」
これは中学卒業後の春休み。
友達と地元のファミレスにご飯を食べに行った時だった。
《アルバイト募集!0××-1234-××××》
タイムリーにバイトの話をしていたからか、レシート1番上のこの文字に目が止まった。
「そろそろお小遣いじゃなくて自分で稼いだお金で──」
「わかった!わかったって!もうここに応募する!それでいいでしょ!」
お母さんの言葉を遮って、勢いよくそう言った。
─『麻薬は、一度手を出すと、抜け出せない』─