姫を追放された私は一筋の光に救われた
プロローグ
「蓮。今、なんて言ったの?」
「聞こえなかったのか?雪菜」
「え、えぇ」
「テメーは今日で姫追放だ。新しい姫は真麗奈になった」
「そんな……」
頭を鈍器で殴られた衝撃だった。
昨日まで総長の隣にいるのが当たり前だった日常。
それはたしかに存在していて……。
「蓮さんの命令はゼッタイだよ。部外者は早く出て行ってよ。ねぇ、雪菜お姉ちゃん?」
「真麗奈が姫になった今、テメーはもう必要ねぇから。大体お前は姫っていっても飾りだろう?」
「……っ」
その日、私は自分の居場所を妹によってあっという間に奪われた。
< 1 / 57 >