姫を追放された私は一筋の光に救われた
「今日は学校も休みだし、外に遊びに行かないか?」


「デートってことですか?」


男女が休日に外で遊ぶと行ったらデートしかない。というか恋人なんだから、これはデートに誘われてるんだよね?

違うのかな?
もし勘違いだったら恥ずかしい。


「俺はそのつもりで誘ったが、迷惑だったか?」


「迷惑だなんて、そんなことないです!」


首をブンブンと振って全力否定する。


凪さんとデートが嬉しくない女の子なんて逆にいるの?イケメンさんとデートとかそれだけでもレアなのに。


そう思うと私は凪さんと付き合えただけでも奇跡なんじゃ……。


凪さんが総長じゃなかったら、今頃女の子が黙ってないよね。でも、凪さんが総長であることは秘密。二人だけの秘密って、特別な関係って感じがしてドキドキする。


「リベンジマッチまで時間もあるし、リフレッシュ休暇も悪くないだろ」


「そうですね。少しは肩の力を抜かないと勝てる試合も勝てなくなりますから」


「自信が戻ってきたようだな」


「凪さんのおかげです。それでも蓮に余裕で勝てるとは思ってません。相手はMoonの総長なわけですし、隣で見てきた私だからこそ彼の強さは知ってます」


「蓮はお前が100%負けると思っている。
油断してる相手に勝ったらそれこそリベンジマッチ成功なんじゃないか?」


「それもそうですね。むしろ油断してる今だからこそチャンスですよね!?」


「雪菜……」


「凪、さん?」


強く抱きしめられた。

今から楽しい思い出作りに行くのに、どうしたんだろう?
< 36 / 57 >

この作品をシェア

pagetop