姫を追放された私は一筋の光に救われた

決戦

そんなこんなでゼウスメンバーや凪さんと楽しい日々を過ごし、ついに決戦の日がやってきた。


今日のリベンジマッチが成功すれば、はれて復讐成功だ。何も思い残すことがなく、私は凪さんやゼウスメンバーと青春を送れる。


「久しぶりね、蓮」


実はリベンジマッチ当日まで私は学校に顔を出さなかった。少しでも気持ちが揺らいだりしないようにだ。


もちろん蓮のことは未だに許せない。だけど学校で会うたびに暴言を吐かれてしまったら勝負までに私の心が壊れてしまうから。これは凪さんから言われたことだ。


私が休んでる間、凪さんはずっと側にいてくれた。私に自信と勇気を与えてくれて……今では気合いも十分すぎるほどあるし、負ける気もしない。


「学校でも姿を見なかった。怖気づいて逃げたのかと思ったぜ」


「喧嘩を売ったのは私なんだから逃げるわけないでしょう?」


「雪菜お姉ちゃん。何か勘違いしてない?」


「勘違い?」


「ゼウス組は雪菜お姉ちゃんが情けなくてみすぼらしい姿だったから助けたんだよ?ゼウスメンバーが優しいからって情に訴えるとかサイテーなんだけどぉ〜」


「っ……」


「雪菜、気にするな」


「わかってる」


真麗奈がこういう子なのは知ってる。けど、やっぱり久しぶりに浴びせられる罵倒はクるものがある。


凪さんが隣にいなかったら今頃、疑心暗鬼でキツくなってた。

一人で戦うと言っていたけど途中で逃げ出したくなったに違いない。でも、今の私は違う。凪さんもゼウスのメンバーもいる。
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