姫を追放された私は一筋の光に救われた
「その証拠に私が挑発しただけで蓮のパンチの威力が落ちてる。狙いが定まってないのはどっち?」


「くそがァ!」


「……っ」


「雪菜!大丈夫か!?」


「凪さん。私は平気です」


不覚にも蓮のグーパンを食らってしまった。油断した。さすがに痛い。でも、それだけ蓮も本気を出してくれてるということ。


正直、私から仕掛けた勝負だから手加減されると思ってた。蓮のことは嫌いだけど、本気の勝負をしようとしてくれた姿勢は評価してあげてもいい。それでも今までひどい事を言われたことはチャラにはならないけど。


「テメーは一人ぼっちがお似合いなんだよ!」


「どんなに酷いことを言われたって今の私は屈しない」


「……いてぇ。顔ばかり狙いやがってテメーも芸がねぇな」


「そっちこそ、もっとホンキを出しなさい。私が女だから顔に傷を作らないようにしてるの?」


「なわけねぇだろ!」


「言葉で私の心を折ろうとしてるなら時間のムダよ」


「真麗奈の代わりでもテメーを姫にしたのは間違いだったな」


「っ……」


「姫のくせに女らしいとこもねぇし、少しは真麗奈を見習ったらどうだ?今日の勝負だってそうだ。真麗奈を姫の座から追放し、自分が姫に戻るつもりもないくせにリベンジマッチだのくだらない勝負を仕掛けやがって。こっちは総長として多忙だし、真麗奈とデートの時間もあんだよ。元姫なんかに使ってやる時間なんか本当はないつーのに」
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