姫を追放された私は一筋の光に救われた
「どうして誰も蓮さんと雪菜お姉ちゃんの喧嘩を止めないの!?」


「雪菜の妹、真麗奈とかいったか。お前、わからないのか?」


「なにがぁ?」


「リベンジマッチが始まった以上、どちらかが倒れるまでは他の奴らは手を出してはいけない」


「恋人がボロボロにされてアンタはなんとも思わないわけぇ?」


「これは雪菜の戦いだ。一度、最後までやると覚悟した雪菜に俺が言うことは何も無い。それに信じてるんだ。雪菜が勝つところを」


「バカじゃないの〜。雪菜お姉ちゃんが勝つとか万に一つもないのにぃ。アンタとは話してもムダだから、あっちに行くわ」


「……雪菜。頑張れよ」


「どうしてだ。どうして殴られても向かって来れるんだ!?」


「私は勝つまで倒れるわけにはいかない。それに言ったでしょ?貴方のひねまがった性格を更生してやるって」


「くそっ……」


ケンカでは男である蓮が圧倒的に有利。最初はそう見えた戦いも時間が経つにつれて、私にも勝機が見えてきた。
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