姫を追放された私は一筋の光に救われた
「会話も出来ないくらい体調が悪いのか。なら、とりあえず来い」


「え!?わっ……」


私が声を出すと同時にフワッと身体が浮いて……。気づいたら私は男の子にお姫様抱っこされていた。


「近くに俺の家みたいなのがあってな。
そこならシャワーも浴びられるし、着替えも用意出来るぞ」


「ちょ……」


「無理に話さなくていい。キツいなら黙って俺に抱かれてろ」


「……っ!」


名前も知らない男の子から、反則的なセリフが飛んできた。

わかってる。そんな意味じゃないってことくらい。だけど、彼が言うとエロく聞こえるのはなんでだろう。


っていうか、家みたいなの?ってなに。
彼の家に連れていかれるんじゃなくて??


もしかして私、危険な人に助けられた!?と不安に思いつつも、彼の体温を近くで感じているせいか、だんだんと眠くなってきた。


おかしいな。Moonメンバーの前でも安心することはなかったのに。

いつ敵が来るかわからない状況だったから、姫である私も常に気を張ってて。


あぁ、もうダメ。追放されたショックと歩き疲れた疲労と眠気MAXで意識が途切れていく……。
< 5 / 57 >

この作品をシェア

pagetop