姫を追放された私は一筋の光に救われた
Moonの総長と姫が学校からいなくなったことにより、氷河中学を仕切るのはゼウス組となった。


今ではゼウスメンバーも表に出てくるようになり、私も学校で会うたびにお昼を一緒に食べたり、放課後の寄り道をしている。


それでも凪さんがゼウスの総長であることは秘密だ。


「あれからクラスの反応はどうだ?」


「クラスの人もMoonのメンバーも何故か私にさん付けしてきますよ。なんだか不思議な感じです」


ふふっと笑った。そう、私がリベンジマッチに勝利したウワサはいつの間にか学校中に広まった。


最初はカッコいい姫と言われていたけど、気付けば尊敬の眼差しで見られるようになって学校中の人気者になってしまった。

そんなつもりで蓮に勝負を挑んだわけじゃないんだけど。同級生にまでさん付けやら様付けされて少し照れくさい。


「俺もあの日のことは一生忘れない。カッコよくて綺麗だったぞ」


「っ……。カッコいいのは凪さんですよ」


「女にカッコいいは余計だったか」


「もうっ。……凪さん?」


「顔の傷、まだ治らないのか」


「このくらい髪で隠せば平気です」


「お前は強くなったな」


骨折はほとんど完治したけど、顔の傷だけはひどかったようで。最後、蓮のグーパンが結構効いたみたい。
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