姫を追放された私は一筋の光に救われた
「……い、おい」


「……」


「起きろ雪菜……赤羽(あかばね)雪菜(せつな)


「はっ……へ?」


目覚めるとそこにはさっきの男の子がいた。顔、近っ……!至近距離でみると、さらにイケメンすぎる。


これだけカッコいいなら、彼はアイドルとか?もしくはモデルさん?っていうか、私の名前どうして知ってるの!?


「悪いがお前の鞄を見させてもらった。
学生証を見つけたからそこで名前を知った。あくまでも名前を知らないと不便だから。他の中身は見てないから安心してくれ」


「怒ってないので大丈夫です」


必死に弁解するところ、ちょっと可愛いな。

緊急事態だったし、私も鞄の中身を盗まれたとかじゃないなら気にしない。それに彼は大丈夫な気がした。


危険な香りはするけれど、それ以上に何故か安心する。蓮のときは同い年なのになぜか肩に力が入ってたし。


「勝手に服を脱がせるのは悪いから、とりあえずタオルで出来るだけ泥はおとした。けど身体の汚れは落ちてないからシャワーでも浴びてこい」


「は、はい。って、ここどこですか?家みたいなところとは聞いてましたけど、まさかお城みたいに広いとことは……」


正直おどろいてる。家みたいとかいうからプレハブとか倉庫みたいな場所を想像してた。

私は大きなソファーに寝かされていた。近くには3〜4人が同時に寝れるくらいの巨大ベッドがあって。
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