姫を追放された私は一筋の光に救われた
「ここは俺たちのたまり場。っていっても、見た目は城みたいだから普通に家だと間違う連中が多いけどな」


「たまり場……?」


聞き覚えのある言葉に思わず聞き返してしまう。

ここは私が姫だったことを黙っておくべき?もしかしたら彼も私と同じだったりするのかな。


「一般人のお前にはわからないよな。……俺は鳳凰(ほうおう)(なぎ)。中3だ。ゼウスっていうチームに入ってる。簡単にいうと部活みたいなもんだ。お前がもし危ない連中に声をかけられたらゼウスチームと関わりがあるって言えば安心だから、あえて俺が所属するチームを話したんだ」


「部活、みたいなものですか」


「まぁそうだな。無理に覚えなくてもいい。とりあえずお前は風呂に入ってこい。なっ?」


「っ、はい」


頭を撫でられた。あたたかくて安心する。


鳳凰凪さん、か。見た目だけじゃなくて名前もカッコいいとかズルいな。


私は凪さんに言われたとおり、シャワールームに足を運んだ。そこまでは凪さんのメイドさん?みたいな人達が案内してくれた。
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