あの頃のきみに栞を。今のきみに僕を。〜夢はきみと結婚すること〜
私の席は一番後ろの隅っこ。
だからなるべく存在感を消して、下を向いて彼を見ないようにしていたのに彼は私に気づいて手を振ってきた。
みんな一斉にその手を降っている先を、私を見る。
それを見た周りが「えっ」っという苦い顔をする。
そりゃそうだろう。
みんなびっくりするよね。
こんな地味な私とキラキラした転校生が知り合いだなんて。
すぐさまクラスの中心の女子、水樹仁美(みずき ひとみ)さんが誠くんに質問する。
「えっ、2人って知り合いなの?」
「うん!小さい頃にずっと一緒に遊んでたの」
彼は当然のように笑顔で答える。