二人の永遠がこの世界になくても
夕方五時。
去年はもっと早い時間に家を出たから明るかったけれど、今年はもうすっかり暗い。
駅前に近づくにつれて、去年と同じようにチキンやケーキが沢山売られていて、サンタクロースの格好の人もいっぱい居た。
「今年は透視しないでね」
「しないよ。ヨヅキの為の日だもん」
私は笑えなかった。
今日、口にした願いで春華の世界が変わってしまうかもしれないのに。
大通りの広場。
既にイルミネーションが点灯されていて、去年よりもずっとずっと大勢が集まっていた。
「遠くからしか見れないね」
「でも綺麗だよ。すごく」
「そう?なら良かった」
あんなに二人で見たかったイルミネーションなのに目が霞んで、キャラクターを模った物も、一つ一つの綺麗な色も全部が混ざってよく見えない。
こんなに寒くて指先も痺れるのになんで涙は凍らないんだろう。
なんで春華はそんな力なんて持ってしまったんだろう。
「ヨヅキ、あっちのほうに行こうか。ここは人が多すぎるから」
返事ができなくて、春華のアウターの裾を掴んでついていく。
大通りを抜けて、小さい公園に入った。
誰も居ない。
大通りと違って小さい街灯があるだけで真っ暗だったけれど、振り返ったらキラキラとしたイルミネーションの灯りがここからでもなんとか見えた。
去年はもっと早い時間に家を出たから明るかったけれど、今年はもうすっかり暗い。
駅前に近づくにつれて、去年と同じようにチキンやケーキが沢山売られていて、サンタクロースの格好の人もいっぱい居た。
「今年は透視しないでね」
「しないよ。ヨヅキの為の日だもん」
私は笑えなかった。
今日、口にした願いで春華の世界が変わってしまうかもしれないのに。
大通りの広場。
既にイルミネーションが点灯されていて、去年よりもずっとずっと大勢が集まっていた。
「遠くからしか見れないね」
「でも綺麗だよ。すごく」
「そう?なら良かった」
あんなに二人で見たかったイルミネーションなのに目が霞んで、キャラクターを模った物も、一つ一つの綺麗な色も全部が混ざってよく見えない。
こんなに寒くて指先も痺れるのになんで涙は凍らないんだろう。
なんで春華はそんな力なんて持ってしまったんだろう。
「ヨヅキ、あっちのほうに行こうか。ここは人が多すぎるから」
返事ができなくて、春華のアウターの裾を掴んでついていく。
大通りを抜けて、小さい公園に入った。
誰も居ない。
大通りと違って小さい街灯があるだけで真っ暗だったけれど、振り返ったらキラキラとしたイルミネーションの灯りがここからでもなんとか見えた。