二人の永遠がこの世界になくても
「それじゃあ始めよっか。リナちゃんの家の近くに公園とかある?」
「はい。小さい子どもが遊ぶような普通の、小さい公園ですけど。公園を区切るように植え込みがぐるっとあって、奥のほうはあんまり整備されてない原っぱみたいになってます」
「猫が潜むにはちょうどいいかもね」
「ヨヅキもそう思う?じゃあそこから探してみようか。リナちゃん、案内してくれる?」
「はい」
私達三人は莉奈ちゃんのおうちのそばの公園を目指して歩いた。
春華だって昨日出会ったばかりなのに、莉奈ちゃんの緊張をほぐそうとしているのか、いっぱい喋っていた。
好きな食べ物とか、映画や音楽の話。
どの答えを聞いても春華は明らかに何も分かっていない表情をしていたけれど、
「おいしいハンバーグのお店があるんです」って莉奈ちゃんの言葉にだけ、異常に反応を示した。
私だって春華の日常をどれだけ聞いたってピンと来ないんだろうな。
春華が見ている景色は、どれだけ頑張ったって私の目には映らない。
今、確かにここに居るのに。
本当は存在してちゃいけない人。
私はそのうち春華を忘れるし、それが正しい未来。
私が春華の未来へ残せる物も、きっと何も無い。
「はい。小さい子どもが遊ぶような普通の、小さい公園ですけど。公園を区切るように植え込みがぐるっとあって、奥のほうはあんまり整備されてない原っぱみたいになってます」
「猫が潜むにはちょうどいいかもね」
「ヨヅキもそう思う?じゃあそこから探してみようか。リナちゃん、案内してくれる?」
「はい」
私達三人は莉奈ちゃんのおうちのそばの公園を目指して歩いた。
春華だって昨日出会ったばかりなのに、莉奈ちゃんの緊張をほぐそうとしているのか、いっぱい喋っていた。
好きな食べ物とか、映画や音楽の話。
どの答えを聞いても春華は明らかに何も分かっていない表情をしていたけれど、
「おいしいハンバーグのお店があるんです」って莉奈ちゃんの言葉にだけ、異常に反応を示した。
私だって春華の日常をどれだけ聞いたってピンと来ないんだろうな。
春華が見ている景色は、どれだけ頑張ったって私の目には映らない。
今、確かにここに居るのに。
本当は存在してちゃいけない人。
私はそのうち春華を忘れるし、それが正しい未来。
私が春華の未来へ残せる物も、きっと何も無い。