二人の永遠がこの世界になくても
お昼前の公園は小さい子どもが何組か遊具で遊んでいて、
その子達の母親なのかな。
お母さん達がベンチでお喋りしている以外は、祝日なのに割りと静かだった。

「ねぇ、ちょっといいかな」

春華が砂場で遊んでいた女の子と男の子に声をかける。
その瞬間に、母親達がこっちを見た。
明らかに私達は怪しまれていた。

それに気づいたからだろうか。
莉奈ちゃんがベンチに駆け寄って、お母さん達に説明した。

「突然すみません。うちの猫が居なくなっちゃって…探してるんです。こういう子なんですけど…」

莉奈ちゃんはスマホを見せながら説明した。
一瞬ピリついた空気がスッと解けて、お母さん達は親身になって「可哀想に」とか「見つかるといいわね」とか言った。

「君達も見てないかな?白くてココに黒いぽちぽちがあるんだ」

「見てないよー」

「僕、毎日ここで遊んでるけど猫ちゃんは見てない」

「そっか。ありがとう」

莉奈ちゃんと春華が目を合わせて、首を振り合った。

そんな二人を私は第三者みたいに、ただボーッと眺めているだけだった。

早く力を使えばいいのにって思った。
春華が他の女の子に優しくするのも、楽しそうに笑いかける顔も見たくない。

私っていつの間にこんなに独占欲が強くなっていたんだろう。

最初から私の物なんかじゃ無いのに。
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