どろびく(#We l♡ve draw a picture)

王国パロ 七話

side無し

叉優「…なんか、すごいことになっちゃたね」
璃百「うん。まさか協力してくれるとは…」

あの電話で、今の慧神月の細かい状況、そして叉優の考察、作戦を全て話した。それを聞いた上で、協力を要請したら、快く引き受けてくれたのだ。

璃百「町外れの宿に宿屋と慧神月の姫の妹と姫専属使用人と芥梨の王女とその専属使用人が揃ってるなんて…宿が定休日でよかったよ」
楼成「…今は王女じゃなくて、東雲楼成として接してね。」
魅麗「プライベートみたいなもんだよね。一国の王女として国を渡るとめんどくさいんだよね、いろいろ」

定休日と重なってホッとする璃百の横で呟く楼成。その楼成の専属使用人である夜櫻魅麗と璃百は小さい頃からの付き合いで、久々の再開で積もる話も多かった。

璃百「色々話込みたいんだけど、それどころじゃないんだよね。正午まで後3時間しかない。」
魅麗「正直、この人数が集まっても、可能性はあまり高くは無いよね。」
椿月「……ねぇ、叉優。姫を裏で操ってたのって誰なの?」

椿月が、ずっと疑問に思っていた事を口に出す。椿月にとって、黒子は唯一の兄弟なのだ。裏で指示をだしていた人間がいるなら、人一倍知りたいはずだ。

椿月「この中で、1番黒子と居るのは私なのに、結局、何も気付けなかった」
魅麗「う〜ん…、元王が暴君だったので、なんとなく疑問に思わない国民が多かったのかも。疑う前よりも怒りが勝るだろうし」

唸る魅麗の横で、ずっと黙っていた楼成が口を開いた。

楼成「…今までの会話を聞いてると、黒子は生きたいとは思ってなさそうだけど?無理やり連れ出して、いいの?」
叉優「っそれは、」

痛いところを突かれた様で、黙ってしまった叉優に別にこんな雰囲気にしたかったわけじゃ…とおろおろする楼成を見て、場違いながら、このメンバーはピッタリハマっているなと璃百は笑った。

叉優「もう一度だけ、黒子と話がしたいんだよね」
璃百「でしょーね。言ってきなよ」
叉優「……いいの?」
魅麗「でも、看守は多くなってると思って。なんか黒子やったんだしょ?」

正午──姫の処刑まで後二時間。
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