春が追い付く二拍手前。
私がはっと目を開けた時、目の前にあったのは、必死な形相で手を伸ばす柾。
目が合った。柾が不敵に笑う。
柾の手が、宙から私をかっさらう。
柾の口が動いた。
声は聞こえない。だけど分かった。
生きろ、
幸せに、なれ――。
そして、抱きしめられて――
――次の瞬間、何も分からなくなった。
目が合った。柾が不敵に笑う。
柾の手が、宙から私をかっさらう。
柾の口が動いた。
声は聞こえない。だけど分かった。
生きろ、
幸せに、なれ――。
そして、抱きしめられて――
――次の瞬間、何も分からなくなった。