天妃物語 〜鬼討伐の条件に天帝の子を身籠ることを要求されて〜
「鶯、今は鬼神に集中しろ。斎王を狙っている鬼神は元々この山に封印されていた鬼神だ。どうやら鬼神は何者かの手によって封印を解かれ、斎王を殺すために伊勢に行っていたようだ」
「え、ではあの鬼神は誰かが封印を解いたということですか?」
作為的なそれに青褪めました。
鬼神は最初から斎王を狙っていたというのです。
「誰が封印を解いたのかは分からない。だが、強い力を持った呪術師であることは間違いない。お前が踏んだ木札はおそらく呪術師が張った罠だ」
「ではあの鬼神は呪術師に使役されていたということですか? あんなに強い鬼神を使役するなんてっ……」
「驚くことじゃない。鬼神といえどそれを上回る力を持った呪術師なら使役は可能だ」
黒緋はそう言いながら先へ進んでいきます。
しばらく歩いているうちにぽっかり空いた空間に出ました。
そこには小さな泉があり、その先には小さな祠が立っていました。
「あの祠を壊せば元の場所に戻れるぞ」
「早く壊しましょう! 早く紫紺のところに戻らないと!」
私は祠に駆け寄ろうとしましたが、ふと泉の水面を見て目を見開きました。
「紫紺!?」
水面には紫紺が映っていました。しかも巨大な鬼神と戦う紫紺が!
「紫紺! 紫紺が鬼神と戦っています!」
「どうやら俺たちと別行動になってから鬼神と遭遇したようだな」
紫紺が刀で応戦しています。
小さな体の機動力を活かし、鬼神を翻弄しながら刀で攻撃を仕掛けていました。それは鬼神に引けを取らないものでしたが、だからといって安心していられるものではありません。
「え、ではあの鬼神は誰かが封印を解いたということですか?」
作為的なそれに青褪めました。
鬼神は最初から斎王を狙っていたというのです。
「誰が封印を解いたのかは分からない。だが、強い力を持った呪術師であることは間違いない。お前が踏んだ木札はおそらく呪術師が張った罠だ」
「ではあの鬼神は呪術師に使役されていたということですか? あんなに強い鬼神を使役するなんてっ……」
「驚くことじゃない。鬼神といえどそれを上回る力を持った呪術師なら使役は可能だ」
黒緋はそう言いながら先へ進んでいきます。
しばらく歩いているうちにぽっかり空いた空間に出ました。
そこには小さな泉があり、その先には小さな祠が立っていました。
「あの祠を壊せば元の場所に戻れるぞ」
「早く壊しましょう! 早く紫紺のところに戻らないと!」
私は祠に駆け寄ろうとしましたが、ふと泉の水面を見て目を見開きました。
「紫紺!?」
水面には紫紺が映っていました。しかも巨大な鬼神と戦う紫紺が!
「紫紺! 紫紺が鬼神と戦っています!」
「どうやら俺たちと別行動になってから鬼神と遭遇したようだな」
紫紺が刀で応戦しています。
小さな体の機動力を活かし、鬼神を翻弄しながら刀で攻撃を仕掛けていました。それは鬼神に引けを取らないものでしたが、だからといって安心していられるものではありません。