愛なき政略結婚は愛のはじまりでした
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パーティーからしばらくの時が経ち、雅と清隆は約束通り二人そろって尼ヶ崎邸へ遊びに行くこととなった。玄一郎の妻の勢津子が間もなく誕生日を迎えるということで、雅と清隆はお祝いの品も持参する。
驚くことにそのお祝いの品選びは、雅にも意見が求められた。清隆から、「君の意見なら間違いない」とまで言われて、雅はなんとも恐れ多い気持ちになりながらも、勢津子に喜んでほしいという気持ちも相まって、遠慮はせずにしっかりと自分の意見を出したのだ。
清隆は雅のその意見をちゃんと聞き入れてくれたから、二人ともが納得する品を用意できた。
けれど、勢津子の反応を見るまで、その贈り物で本当に大丈夫だろうかと、雅は不安な思いを消せないでいた。気に入らないものでも渡してしまったら、加々美家にも迷惑がかかってしまうのではないかと心配になっていたのだ。
パーティーからしばらくの時が経ち、雅と清隆は約束通り二人そろって尼ヶ崎邸へ遊びに行くこととなった。玄一郎の妻の勢津子が間もなく誕生日を迎えるということで、雅と清隆はお祝いの品も持参する。
驚くことにそのお祝いの品選びは、雅にも意見が求められた。清隆から、「君の意見なら間違いない」とまで言われて、雅はなんとも恐れ多い気持ちになりながらも、勢津子に喜んでほしいという気持ちも相まって、遠慮はせずにしっかりと自分の意見を出したのだ。
清隆は雅のその意見をちゃんと聞き入れてくれたから、二人ともが納得する品を用意できた。
けれど、勢津子の反応を見るまで、その贈り物で本当に大丈夫だろうかと、雅は不安な思いを消せないでいた。気に入らないものでも渡してしまったら、加々美家にも迷惑がかかってしまうのではないかと心配になっていたのだ。