愛なき政略結婚は愛のはじまりでした
「君に似合うと思う。着けてくれるか?」
こんな大層な贈り物をもらうだなんて恐れ多くてしかたないが、すでに買ってしまったものを遠慮するわけにもいかない。雅は、今度は素直にお礼の言葉を口にした。
「はい。ありがとうございます」
「今、私が着けても?」
「はい」
清隆はケースからネックレスを取りだすと、雅を抱き込むような体勢になる。今までで一番の近い距離に雅の心臓が暴れだす。すぐに首に金属が触れた感じがあり、ネックレスを着けられているのがわかった。
清隆は雅から体を離すと、それはそれは満足そうな笑みを浮かべてうんうんと頷きはじめた。
「うん。よく似合っている」
自分ではまったく見えないけれど、首への感触で、清隆の贈り物がこの身についているのだとわかり、雅は信じられないくらいの喜びに包まれた。
こんなことは人生で初めてである。
実家にいた頃は、誕生日ですら贈り物なんてもらえなかったのだ。着飾るためのあれこれは渡されても、雅のことを思ったプレゼントなんて買ってもらったことはない。
自分のために用意してくれたこのプレゼントが雅は本当に嬉しくて嬉しくてたまらない。
その感情のままに清隆へ「ありがとうございます」と伝えれば、清隆は「ああ」と短く言ったあと、突然雅の頬へと触れてきた。
こんな大層な贈り物をもらうだなんて恐れ多くてしかたないが、すでに買ってしまったものを遠慮するわけにもいかない。雅は、今度は素直にお礼の言葉を口にした。
「はい。ありがとうございます」
「今、私が着けても?」
「はい」
清隆はケースからネックレスを取りだすと、雅を抱き込むような体勢になる。今までで一番の近い距離に雅の心臓が暴れだす。すぐに首に金属が触れた感じがあり、ネックレスを着けられているのがわかった。
清隆は雅から体を離すと、それはそれは満足そうな笑みを浮かべてうんうんと頷きはじめた。
「うん。よく似合っている」
自分ではまったく見えないけれど、首への感触で、清隆の贈り物がこの身についているのだとわかり、雅は信じられないくらいの喜びに包まれた。
こんなことは人生で初めてである。
実家にいた頃は、誕生日ですら贈り物なんてもらえなかったのだ。着飾るためのあれこれは渡されても、雅のことを思ったプレゼントなんて買ってもらったことはない。
自分のために用意してくれたこのプレゼントが雅は本当に嬉しくて嬉しくてたまらない。
その感情のままに清隆へ「ありがとうございます」と伝えれば、清隆は「ああ」と短く言ったあと、突然雅の頬へと触れてきた。