愛なき政略結婚は愛のはじまりでした

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　青く晴れ渡る空の下には、終わりの見えない海が広がっている。砂浜に寄せる波の音が、雅に非日常を知らせてきて、雅の心は勝手に踊りだす。その感覚は遠い遠い昔に捨て去ってしまったもので、久しぶりのそれを体感した雅はノスタルジックな思いに駆られる。

　けれど、それと同時に、初めて近くで目にする大きな海原に、雅は新鮮な気持ちも抱いていて、二つの相反する感情に、雅の心はせわしなく動く。

　胸に手を当てて、感嘆のため息をこぼせば、隣に立っている清隆がくすりと笑いをこぼした。