一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
「成哉くんはさ、医者になるのが夢なんだよね?」
「……はい。そうです」
「まなちゃんのような病気で亡くなる人は大勢いる。まなちゃんだけじゃない。だからその事を覚えてほしい。医者はそんな病気を治すべく日々頑張ってる。成哉くんのお父さんもね」
「……そう、ですよね。頑張ります」

 成哉はこの日からますます、医者になりたいと強く志すようになったのだった。そして勉学に励んだ結果全国でもトップクラスの医学部大学に進学。そして外科医としての道を歩み始めたのだった。
 父親とは違い、外科医として歩み始めたのも倉敷愛海の影響があったゆえである。そして医学部で研鑽を積んだのち、彼は父親が院長を務めるベリが丘の総合病院に新たに活躍の場を移した。

(よし、頑張らないと)

 星田医師ら先輩方との出会いも成哉へは刺激となった。成哉はコツコツと経験を重ね、そして堀田愛海と再会したのである。

「ああ! やっぱり堀田だ!!」
「え、えーーと……」
「藤堂成哉だよ。覚えてる?中学と小学校一緒だったじゃん」
「ああ、あの……!」

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