一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
 この日も目まぐるしく、仕事は進んでいった。気がつけばもうお昼過ぎだ。

「休憩お先でーーす」

 この日、成哉は今の所カフェには来店していない。休憩に入った私は、後輩とバックヤードで昼食を食べる。

「堀田さん!」

 すると、同僚の1人がバックヤードに飛び込んできた。何かあったのだろうか?

「藤堂先生よ!」
「え?」
「堀田さんいないか? って。急いで行ってあげて!」

 同僚にそう言われ、レジに向かうと彼がいた。

「堀田、お疲れ!」
「ど、どしたの?」
「中学の同窓会で話があるんだけど……」

 同窓会?何の事だろう?そんな話あったか?

「メッセ来てない?」

 成哉に指摘されて慌ててスマホを確認すると、確かにメッセージが届いていた。
 どうやら私がスルーしていただけである。しかもメッセージが送られてきたのは5日前だ。

「ごめん、俺もスルーしてたからさ。全然気が付かなくて」
「大丈夫、こっちもだから気にしないでいいよ」
「でさ、堀田は同窓会行くの?」

 成哉から質問されたが、すぐには返事が出来ない。
 シフトも確認しないといけないし、それにずっと会っていない人ばかりだ。行こうという気にはなかなかなれないでいる。
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