一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
「いただきます!」

 早速注文した品々を食べていく。チキンもナゲットもピザもポテトもどれも美味しい。チキンは柔らかくて食べやすいし、ナゲットも一緒に注文したタルタルソースとの親和性は抜群である。これはごはんと一緒に食べたら更に美味しいかもしれない。

(今度ごはんと一緒に食べようかな)
「ピザうまいなこれ! 先輩に言ってみよ」
「うん、確かにこれ美味しい!」
「ね、たまにはこういうのも良いよね」

 あっという間に空になってしまった。満腹だ。また今度注文してみよう。

「ごちそうさまでした」
「堀田、ゴミ箱どこにある?」
「え、こっちで捨てておくよ」
「いいって。ゆっくり休んどけ」

 彼にそう言われたのでお言葉に甘えてゆっくり休む事にした。彼に燃えるゴミ用の箱の位置を教えるとてきぱきとピザの入っていた箱を綺麗に小さく折りたたみゴミ箱へとぽいぽい捨てていった。

「よし、終わり」
「ありがとう」
「これくらいどうって事無いよ。食後だししばらくゆっくりしよう」

 成哉は私の左側に座り、足を投げ出してリラックスする。私はリモコンを取ってテレビをつける。するとベリが丘の総合病院での手術風景が映し出された。

「あ、これ先輩だ。今日だったんだ」
「そうなの?」

 今、テレビ画面で熱心に手術をしているのは成哉の先輩にあたる外科医だという。
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