一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜

「星田先輩って言ってさ、俺の教育担当の先生なのよ。優しくていつも熱心に身振り手振りを交えて教えてくれる先生でさ」

　星田医師は成哉よりも短い短髪で、ガタイが良く眼鏡をかけた容姿をしている。1.2回ほどカフェに来た事があるような気がするがあまり詳しくは覚えていない。

「そうなんだ」
「俺、星田先輩みたいにもっと優秀な外科医になりたい。だって先輩かっこいいんだもん」
「あこがれてるの？」
「そうだな。父さんも星田先輩含めた外科チームの先輩方もすごい人だからさ。後輩同期にもすごいやつがいるし」

　成哉の目は輝いていた。雑誌で特集が組まれるくらいには優秀なのに、更にその先を行こうとしている。そんな彼が学生時代と同じようにキラキラと輝いて見えた。
　そんなキラキラと輝く星が、今私の目の前にいてくれている。まるで現実ではないみたいに思えてしまう。

「ふふっ」
「堀田？」
「藤堂くんは変わらないね。いつもキラキラしてるもん」
「……そうかな？」

　本人は自覚していないようだ。そこも彼らしいと言えば彼らしいかもしれない。すると彼がうーーんと言いながら口を開く。

「まだまだだと思うんだよな」
「まだまだって？」
「先輩方や父親は患者さんからものすごい慕われてさ。けど、俺はたまに患者さんとうまくコミュニケーションが取れなかったりする時あって」