一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
 託児所の敷地はやや狭めだが、中は思っていたよりかは広々としていた。白い壁に茶色い木製の棚や遊具が3つほど配置されている。
 子供は4人程。その中にはまことより数か月年上と思わしき赤ん坊も見えた。玄関のすぐ前方に広々とした幼児の遊ぶスペースがあり、その右横に食卓と台所、トイレにシャワールームが設置されている。

「こちらへどうぞ」

 私とまことは食卓へと案内された。私は保育士が用意してくれた木製の椅子に座り、まことを両手で抱く。

「えっと、この施設を利用したくてですね……」

 と、とりあえずは結論から先に述べると保育士からは勿論ぜひ利用してください! と明るい笑顔で言われたのだった。

「いいんですか?」
「はい、両親のうち片方が病院の職員でしたら利用可能なので」
(私がカフェで働いてるの知らなさそうだな……それならよかった)
「良かったです。じゃあ、ここに決めます!」

 即決でこの託児所にまことを預けるのを決めた後はこのまま書類にサインして、正式に託児所の利用が決まったのだった。

「一緒にミルクも持ってきてくれたらうれしいです。粉ミルクも一応は用意してありますが、嫌う子もちょいちょいいるので」
「わかりました」

 こうして手続きを終えて託児所を後にする。
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